#1.ボクサーのアライメントおよびパンチ動作についての考察:上肢編
こんにちは!
今回、競技特性上起こりうる円背姿勢や巻き肩に付随するパンチ動作の考察をしていきます。
目次
①アライメント
まずはアライメントのおさらいです。
矢状面
・耳垂
・肩峰
・大転子
・膝蓋骨後面
・外果前方
横から身体を見た際にこれらが一直線上に並ぶ。
背面
・後頭隆起
・椎骨棘突起
・臀裂
・両膝の間
・両内果の中心
背面から見た際にこれらが一直線に並ぶ。
矢状面、背面から見てこれらが一直線に並ぶのが正常、良い姿勢と言われています。
②何故、円背や巻き肩が起こるのか
競技特性上、ガードを固め背中が丸くなる事で起こる円背や
腕をずっと挙げて尚且つ前方に肩を前に出すために起こる巻き肩(上腕骨頭が前に出る)になり得ます。
特にインファイターの選手なんかはガードを固め尚且つパンチ動作も行うので円背かつ巻き肩になりやすくなるんじゃないかと考えています。
※写真はしつこくボディーを狙われ必死にガードするもボコボコにされている守屋の図です
肩を前方に出し続ける
・大胸筋、小筋や三角筋前部が短縮位になる
・肩(上腕骨頭)に引っ張られ肩甲骨が外転位になる
肩甲骨外転位になると
・僧帽筋
・菱形筋
2つの筋が伸長されてしまい、円背が強くなり胸を張る事が出来なくなり、呼吸能力も低下しスタミナが尽きるのも早くなってしまいます。
③円背や巻き肩でのパンチ動作
ファイティングポーズ
上腕二頭筋、大胸筋、三角筋前部の作用により、肘関節と肩甲上腕関節は屈曲し、肩甲骨は前方にいかないように菱形筋や僧帽筋により固定(正確には内転)されます。
パンチ動作
肘関節屈曲位から上腕三頭筋の作用により肘を伸展し、腕を前に出そうとする動きから肩甲骨は前鋸筋や小胸筋の作用により外転します。
しかし、②で述べた姿勢不良になると
肩甲骨が外転位になってしまい、肩甲骨外転の作用を持つ前鋸筋や小胸筋が短縮位になり、腕(肩甲上腕関節)だけでパンチを打つ事になるので、パンチの伸びが出ないため相手にパンチを当てる事が出来なくなります。
また、パンチ動作は※バイオメカニクスにより、線運動(物体が直線に動く直線運動、物体が曲線に沿って動く曲線運動)の動きに該当し、線運動を増加させるには質量(拳、もしくは肩甲骨から腕全体)もしくは速度を上げる必要があります。
質量はさほど変えられないため、速度を上げる必要があります。
しかし、肩甲骨が外転位のため、腕だけでパンチを打つを打つ事になるためパンチ速度は低下し、パンチ力も下がってしまいます。
④修正エクササイズ
・大胸筋、小胸筋、三角筋のストレッチする事で前方に出ている肩を後方に戻す
・プル(引く)動作で僧帽筋中部や菱形筋を鍛え肩甲骨を元の位置に戻す
・円背により筋は伸びたまま拘縮している可能性があるため、起立筋のストレッチ。
起立筋の柔軟性が得られたら筋力トレーニング
⑤まとめ
円背や巻き肩にならないように、日常生活から肩を後方に位置させ、適度に胸を張る事意識をし、身体のケアを毎日行う事が大事である。
⑥終わりに
最後まで読んで頂きありがとうございます。
パンチ動作の※バイオメカニクスにて「拳もしくは肩甲骨から腕全体」が質量と記載し、腕単体で考察しました。
しかし、パンチは「床反力を利用し下肢から上肢、最後に腕に伝わり相手に当てる技術」です。また、重心も前に移動するので、パンチ動作は全身で考える必要があります。
修正エクササイズも雑にまとめたので
記事に出来たら良いと考えています。
様々なコメントお待ちしております。
宜しくお願い致します。